新作小説『浪女街』、全話掲載しました。

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このお話は、1928年に、のちに時代劇映画の巨匠になる、若干20歳の新鋭監督・マキノ正博(1908~93)が監督した『浪人街 美しき獲物たち』を元ネタにしています。極悪非道の旗本たちに誘拐された夜鷹を救うため、浪人たちが百人を相手に大立ち回りを演じるという物語は、当時大ヒットを記録しました。残念ながらフィルムは全編残っていませんが、幸い、クライマックスのチャンバラシーンは、かつて無声映画の弁士で、戦後散逸した映画フィルムの収集に全力を尽くした松田春翠さんによって発掘されました。私も若いころ、松田さんが主宰する無声映画上映会に見に行った事があります。



その後、1951年と57年にマキノ雅弘(正博から改名)によって、90年には黒木和雄監督によってリメイクされました。黒木和雄版では、原田芳雄、石橋蓮司、勝新太郎、田中邦衛らが浪人を演じました。






今回の『浪女街』は、夜鷹を救うため100人の旗本と戦うという設定と、登場人物の名前、そしてクライマックスの決め台詞以外のストーリーは、ほとんど私の創作です。

今回意識したのは、girl crush という言葉でした。韓国のkpopで使われていますが、女性を魅了するかっこいい女性くらいの意味で、その代表格とされるのが、Mamamooというグループです。第四話で描いた荒牧小夜たちが演じる芝居は、このグループの以下のМVを参考にしました。




現在の日本は、男女平等ランキングで114位と、先進国最低水準だそうで、それは、アベトモと言われる元TBS記者が女性をレイプし、逮捕状まで発行されながら、高官の鶴の一声で無罪放免になるという事件をみても、さもありなんと思われますが、この事件を勇気をもって告発した伊藤詩織さんは、告発に踏み切った理由の一つとして、一昨年ツイッター界を騒がせた「秋の金玉潰し祭り」に影響されたのだとネットで読みました。
もし、それが本当だとすると、ハリウッド発の「#MeeToo」が全世界の女性に勇気を与えたような力が、ballbusting にはあるかもしれない。そうだと嬉しいという気持ちをこめて、この小説を書きました。ご感想など、ぜひ掲示板にお寄せください。